インドティーは敷居が高い? ~ 第8話

最初に紅茶を飲み始めた頃は、都内の有名な紅茶専門店ではダージリンが高級茶の代名詞です!という顔で売られていたのでダージリンは喫茶でよく飲んでいた。 “オレンジペコー、BOP、1stフラッシュ、2nd フラッシュ“ スノッブな都内の人が飲んだ後に良く使っていて、私なんぞは ”なんのこっちゃ“の時代です。
その後セイロンティーのバリエーション豊かな産地別の味にはまってしまい、もっぱらヌワラエリヤのような透明感のあるもの、ディンブラのような深みがあるものなど南の島ものが主流になった。
まだ横浜に住んでいた頃は東京へ出やすかったので西葛西の紅茶卸の店にも足を運ぶことがあった。「Shanty」は古くからある紅茶販売店で駅に近く日常飲みの産地別の茶葉だけでなくHigh quality な シーズンティーも販売している老舗だ。
有名な農園毎のシングルオリジン・エステートの茶葉もおいている。
世界最大の紅茶生産国であるインドの紅茶産地は、ダージリンとアッサム、ニルギリが主要な産地。
特にダージリンは“カルカッタオークション”のような巨大なオークションで値がつけられるものとダイレクトトレード(Private offer)があります。
ダージリンはDJ-XXという出荷ロットナンバーがつくので DJ-1 (初回LOT)には超高値が付くことが。ただし、最高品質のWHITE TEAなど はダイレクトトレードで取引されることもあるのでDJロットがついてないからと言って必ずしも偽物・低品質というわけではありません。
ダージリン地方産、アッサム地方産とひとくちにいっても香りと味は農園がちがうとまるっきり違う。
同じ農園でも生産年ごとに違う。(これは、セイロンのヌワラエリヤやディンブラ等の農園別でも同じ)
インド北部のお茶は年三回収穫。
春摘み=First Flush
夏摘み=Second Flush
秋摘み= Autumnal
“私は○○摘みのお茶が好き”というこだわりがある方もいらっしゃる。
【ダージリン派】
ダージリンを好まれる方は総じて「ストレート」で茶葉の味を楽しみたい方が多いのではないだろうか。
マスカットフレーバーの紅茶にひかれた方は、キャスルトン(Castleton)農園のシーズナルなものが好きという方もいらっしゃるだろう。
アボングローブ (Avongrove)のようなフラワリーで力強い香りがよいという方もおられるだろう。
総じてストレート派はダージリン、ミルクティー派はアッサムという感じだが最高級ダージリンにミルクを入れる方は少ないだろう。
アイスティーといえば、イギリスはアイスにすることはまずない。
日本では熱い夏用にアイスティーがあるので、近年の温暖化でイギリスやフランスにもアイスティーが逆輸入される日がくるかもしれない。人気アニメで頻繁にでてくれば(笑)
ただし、高級なダージリンの春摘み(ファーストフラッシュ)やニルギリのウインターフロースト(1~2月頃の冬摘み)は若葉を含むので、“スピーディー”といわれる山椒のようなスパイシーな味がでるため舌にくるのが嫌な方にはオススメしません。
恥ずかしながら最近知ったのだが、ダージリン等を中国茶のように一煎目、二煎目で飲むやりかたがあるようだ。
イギリス人のように大きめのポットで熱々のお湯で飲むときはないのだが、ちゃんと毎回出し切る飲み方だと“一杯目熱いお湯”で飲んだ後“二杯目(か三杯目)”でつめたい水出しで飲んでほしい。
シングルオリジンでもブレンドでもよいがシルバーチップやゴールドチップがふんだんにはいった良い茶葉で入れると、甘みがでてまろやかになりシロップなどいれなくてもそのまま飲めます。
これはアッサムの最高級茶園のものでも同じ。
良い茶葉を飲んだ時の気持ちは、(アニメのガンダムを知っている人でないとピンとこないだろうが)まさに「ザクとはちがうのだよ、ザクとは」というランバラルのこの一語につきます。

【アッサム派】
私はダージリンより「アッサム」が好きという方もいる。
紅茶の甘みを好まれる方はこちらがあっていると思う。
良いアッサムはミルクのような甘い香味やハチミツ香、ものによってモモやアンズ香などのフルーツ香がする。
そのため、ミルクティーにすると抜群に相性がよい。
なんでもダージリンと違うこの地方独特の虫にハミハミされた葉が質の良い甘みを生み出すらしい。
この地方のシングル・エステート・オリジンにも名茶園があり、私の一押しは ” ハルマリ / Halmari ”。
ここのフルリーフの SFTGFOP1 グレードの茶葉は最高だ。
モカルバリに隣接する近くの ”マノハリ / Manohari” も有名。
どちらもゴールデンチップをふんだんに含む最高級の茶葉。
クローン種で評判の ”マンガラム / Mangalam” もこの東部地方の有名茶園。
わたしがアッサムらしいとして好きな農園がある地域だ。
他に西部の “ドゥームニ / Doomni” のフラワリーなニュアンスが好きな方もいらっしゃるだろう。
こちらの地方も春摘みと夏摘みで好みが分かれるようだ。
質の良いブレンダーが提供するダージリン茶葉をロイヤル・ダージリンと呼ぶようにアッサムはモルティ・アッサムと呼んだりする。

【ニルギリ派】
ニルギリ地方の茶葉は私の若い頃は、大量生産用CTCの茶葉のイメージだった。
この地方は南の地域で年中収穫できるが、実は「ウインターフロスト」と呼ばれる冬摘みの高級茶葉がある。
最近知られるようになって日本での知名度はまだ低い。
お店によってはシーズナルで発売されるのでどうせなら高品質のものを探して飲んでほしい。
渋みが少なく柑橘系の香りが強いので アイスティーにすると相性がよいようだ。
この青い柑橘系の味わいは、好みが分かれるところだと思う。
個人的には、アイスティーにしてさわやかに飲むとよいお茶さと思う。




【ダージリン、アッサム、ニルギリの一般的違い】
ダージリンとアッサム、ニルギリの見た目の違いは
同じフルリーフではあまり感じない。
グレードでゴールデンチップやシルバーチップ、
緑葉の入っている割合やより方が違う位。
個人的にはたくさん飲む人は、ティーバッグのダストやCTCの
粒の細かいものよりフルリーフ(OP)や大きめの少しカットした
程度のBOPをお勧めする。
理由は、タンニンの抽出がカットが少ない方が低いから。
同じ地域でも味の傾向は正直茶園毎でバラバラだが、大別すると:
・ダージリン
高地産。春、夏、秋摘み。
爽やかな香りと澄んだ水色が基本。
高品質はとろんとした甘み。茶園によってマスカテルな香り。
高品質ほどストレートで上品な香りを楽しむのに適している。
甘みやハチミツ臭を感じるタイプはミルクでも良い。
・アッサム
低地産。春、夏、秋摘み。
コクのある味と濃い水色が基本。
ミルク臭や黒糖を感じる甘み。
高級葉を生産する茶園ものは、ストレートでも甘みを
感じるためスコーンやクッキーなど甘いスイーツと一緒だと
そのままミルクなしでも可。
もちろん、ミルクをいれるとさらに特徴が際立つ。
・ニルギリ
高地産。年中あるが、旬は冬摘み。
一般にはクセがなく、軽やかで飲みやすい味。
ほのかな草や柑橘系の香りがあるものもあるが、
スパイスの生産地と同じのためか高級茶園の冬摘みの
茶葉にはむしろスパイシーな味わいがあるので好みが
分かれる。